十二月三十一日、大晦日。日が暮れているとはいえ、日付が変わるまではまだ数時間。二年参りとはいえ気が早いかもしれない。しかし大きな神社ともなればこの時間からもかなりの人でごったがえし、それを目当てに周囲では夜店やら普段は深夜営業などしていないだろう飲食店が開いていたりもする。
 そんなわけで二年参りのために並ぼうという人以外にも、今の時間から酒を飲んで騒いでいる人達の声も聞こえてくる。



 三週間の世界線漂流、そしてその後に訪れた非常識な世界線から脱出し――やっとたどり着いた、平和な年末。


 本来は厳かな気持ちで心静かに過ごすべきなのかもしれないが、ここでそれを指摘するのは帰って野暮というものだろう。信仰の形というのは人それぞれだし、楽しそうに過ごしている人達を咎める神がいたとしたら、少なくとも俺はそんな神を信仰したいとは思わない。


 岡部倫太郎と牧瀬紅莉栖が、初めて迎える年末。
 そんな日には二人とも――


「まあ、この鳳凰院凶真は神に縋る側ではなく神をその座から引きずり下ろす側だがな。フゥーハハハ!」
「岡部、五月蠅い。あとあんまり暴れるとこたつの中に冷気が入ってくるでしょ」
「あ、すまん」


 静かに過ごしたりするわけはなかった。


「うどんぐらいしか茹でたことないからなあ……」
「不安なら私も手伝ってあげるから」
「うむ、だが断る」
「なんでよ!」


 果たして、二人はどんな年の瀬を過ごすのか――


 文章:右近  表紙:茉乃瀬桔梗さん

 本文:A5二段組 34ページ
 頒布予定価格:400円

 本文サンプル(pixiv)

 夏コミに出したシュタゲ本が好評だったので、調子に乗って冬コミもオフセット本です。例によってオカクリですよ。
 ちなみに表紙は例によって全力で表紙詐欺です。もう表紙詐欺サークルとして名を馳せようかとかそんな。
 今回は申し込みしてなかったんだけど、ものくろさん(pixiv)のところにお邪魔させてもらえることになったので、
 12/31(土)は西つ-10b「snog」にどうぞ!
 一緒に置いてあるって言うかサークル主のものくろさんの本もいい感じだよ! というか横に置くのは若干気が引けたりするよ!

 一応冬コミで完売できなかったら依託とか参加予定の1月のシュタゲオンリーへの持ち込みも考えてますが、年越しネタなのでぜひ冬コミにお越し下さるといいと思います。この本読んで年越しってのもどうかと思いますが!

 冬コミとシュタゲオンリーを終えても若干数在庫が残ってたので、とらのあなにて依託して貰うことになりました。
 再販の予定はないので、ラストチャンスと思ってこの機会に是非。
 なんか「シュタゲ同人は春で終わりかな」とか言ってたら「じゃあ総集編だな」とか周囲にせっつかれたりしてますが。



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