魔術王による人理焼却という未曾有の危機に対抗するため、戦い続ける人類最新にして最後のマスター。
 そんな彼を助けてくれるのは、まさに綺羅星のような英霊たち。
 通常の聖杯戦争ではありえないことだが、此度の戦いにおいては複数の英霊が召喚され、
 カルデアのバックアップのもと擬似的に受肉してマスターの支えとなって戦ってくれる。
 かくして幾度もくぐり抜け戦いにおいて聖杯を回収し、人理定礎復元を進めていたわけだが――。

 物事には限度というものがある。
 幾人、幾十人の英霊たちを束ね導く、マスターの手腕は素晴らしいものだと思う。
 そしてそんな英霊たちを受肉させることで不測の事態に備える、カルデアの技術も素晴らしいものだと思う。
 しかし受肉させた以上、生活する部屋は必要になるのだ。
 中には身長3mとか無茶を言ったり、半ばロボみたいなのもいたり、馬連れてるやつまでいるんだから。



「何かいい方法ないかな……」
 半ば無意識にそんなことをつぶやいた時、背後から答えが返ってきた。
「マスター、そこでこの黒髭に名案が」
「却下」
 微塵の躊躇もなく力強くそう断言した。



 思い悩むマスターのところにやってきた、黒髭――エドワード・ティーチの提案。
 それは思いもよらないものだった。


「部屋が足りなきゃ、増やしちゃえばいいじゃない」
「はい?」
 言っている意味がよくわからなくて問い返してみたけど、ティーチははドゥフフと笑うだけだった。


 かくしてカルデアが抱えた問題――部屋不足を解消するための作戦が開始される。


「それで、なんなんですかこれは」
「古来より、管理人さんはそれを身につけなきゃいけないという決まりが」
「神話の時代から来た存在に対して『古来より』というのはどうかと思います」
「うん、ごめん」


 果たして、どんなことになるのやら。


「借り受けた本を読む限り、隣室へと続く壁を破るのが作法なのかと」
「そんな作法はねえ」


 頑張れマスター。



 文章:右近  表紙:灰男マン(pixiv

 タイトル:めぞんカルデア
 サイズ:A5二段組 本文44ページ
 頒布予定価格:500円

 本文サンプル:(pixiv

 久しぶりのFate本です。FGOだけどな!
 そしてタイトル見ればわかると思いますが、そういう本です。おっさんホイホイです。おっさん以外は手に取らないんじゃないかと不安です。
 一応メドゥーサ(staynightのライダー)がメインっぽい感じなんだけど、表紙に居るメンツ+αが出てワイワイやる感じでひとつ。

 そんなわけで、8/14(日)東オ-34b「裸Yシャツ友の会」までお越し下さい。
 久しぶりっていうか初めて個人誌出した時以来の型月島に、おっさんドキドキですよ。
 カタログ見るとメドゥーササークル3つぐらいしかなくて寂しいので、声かけたげて。
 既刊の艦これ川内本あたりも持ち込むんじゃないかと思います。

C90お品書きのようなもの by 右近@3日目東オ-34b on pixiv



 既刊 川内本は8/13(土)東O-38a「宿命廻路」
 新刊 FGO本は8/14(日)東カ-30a「硝子の月」
でも委託してますので、よろしければそちらでもー。



 ※2016.09.15追記:
  DLsite.comさんでDL販売などはじめてみました。
  一応手元に在庫はあるんだけど、部数少ないので冬コミに持込んで見る方向で。
  もし「DL販売でもいいよ」とか「むしろDL販売のほうが助かる」とか言う方、よろしければ下のバナーからどうぞ。
 めぞんカルデア DLsite.com直リンク

 ちなみに冬コミはこの続きっぽい感じの話を書く予定です。多分今度はマルタ殿がメイン。


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